2020/02/03
最近は沖縄で「豚コレラ」が流行ったと思ったら、中国・武漢発の新型コロナウィルスが拡散したり、なにかと健康被害を危惧することが多い。
そこで今回は「日本人のスーパーフード」=薬草について記しておこうと思う。
「薬草」というと「珍しい」という印象を持つのかもしれないが、実はまったくそんなことはない。最近だと「和ハーブ」という呼称で洋ハーブと比較対照的に扱われるようにもなってきたが、ようするに「おばあちゃんの知恵袋」とでも言えるような「野草の使い方」だと理解すればよい。
古代より、日本人の生活と健康を支えてきた、日本自生の有用植物のことである。これらは日本人らしい健やかさ、美しさ、感性を導くものでもあった。
植物がもつ香りに触れ、豊かな味を楽しみ、自然の色を目にして、心や身体が元気づけられてきた「古(いにしえ)の知恵」なのである。
日本人の身心には、日本のハーブがベストである。古くから日本の風土に育ち、日本とともに長らく生きてきた植物たち。21世紀の現代となっては、我らが日本国民の祖先たちを脈々と支えてきた「日本人の忘れ物」でもある。
洋ハーブに比べ、日本の薬草=和ハーブは、香りや味わいが一般的におだやかなものが多い。だから「野菜」「キノコ」などの淡泊な味はもちろんだが「魚」や「肉」などの素材自体の味も引き立たせる。
例えば「シソ(紫蘇)」だ。シソは抗酸化成分のかたまりである。必須脂肪酸がたっぷりで最近健康食材として人気の「エゴマ(荏胡麻)」や、鉄分がとても豊富な「ヤマブドウ(山葡萄)」もある。「和のエルダーフラワー=『ニワトコ』」などは、およそ1万年前とされる縄文時代頃から日本人の祖先たちも食していた。
香りや刺激が食欲を増し、消化も促進される。そのために、美味を感じ、栄耀の吸収も良く食べられることを太古の人々は知っていたのだ。日本人の遺伝子に受け継がれてきた「美の記憶」を呼び覚ますので、美容に役立つ細胞も活性化する。免疫機能の強化などはあたりまえだ。
まさに「日本人のスーパーフード」である。
せっかくなので。
今回は、以下に「三里四方に医者いらず」と云われた、古来からの代表的な薬草を七種記しておこう。神心書道の宗主が推奨するので「日本の薬草・神セブン」とでも記しておこうか。
◆「日本の薬草・神セブン」
1.シソ(紫蘇)
まず一番便利なので「シソ」から記すとしよう。シソ科・シソ属の植物で、「大葉」ともいう。よく梅干しの着色に使われている。乾燥した葉は、ソヨウ(紫蘇葉)という生薬で売られている。
2.ヨモギ
生命力が強くどんな環境でも育つキク科の植物。乾燥させて「草餅」や「お灸」のもぐさによく使われた。古くは「魔物除け」「悪霊除け」として、葉を軒先に吊るした。
3.クロモジ(黒文字)
山林に自生する木の名称である。芳香が良く、香料や入浴剤にも使われる。ずいぶん前に流行ったアロマセラピーの精油の原料にもなっている。心身のバランスをとり、殺菌作用も高い。
4.ドクダミ
「毒を止める」という意味で「毒を矯める」が変化し、「毒矯み(どくだみ)」になったと伝わる。之布岐(シブキ)と呼ばれている地方もある。乾燥させたものは、十薬(じゅうやく)という名前で生薬として売られている。
5.スギナ
「ツクシ」の葉っぱの部分である。生命力と繁殖力がとても強い植物で「スギナ茶」として引用することで精力増強・滋養強壮が期待できる。子宝祈願のさいには下賜される地方もある。
6.カキドオシ
カキドオシもシソ科の植物である。山菜として食用するも良し、健康茶として飲用するも良し、生薬として「レンセンソウ」や「カントリソウ」という名でも売られている。
7.ウラジロガシ(裏白樫)
ブナ科の木で大きいものは10m以上にも成長する。ただ現在は数が少なく、国の天然記念物に指定されている木々も多くある。四国・徳島では、阿波の国より以前の昔から民間薬として使われていた。
次に、このような薬草の[推奨]使用法を記しておこう。
◆[推奨]使用法
1.入浴
ヨモギを煮出した「汁」を入れる「ヨモギ湯」などは、美容にも健康にも良いし滋養にもオススメだ。
2.芳香
香りのよい薬草は、乾燥させティーパックにつめて食材と一緒に煮込むと良い。乾燥させ小袋に入れて携帯するのも良い。
3.飲用
煮出したり、水出ししたりすることで、成分を抽出する。ブレンドすると美容・健康・強壮・etc...なんでもありだ。
みなさんも、せっかく日本人として現世に生を受けたのだ。今年は「日本人のスーパーフード」=薬草の力を、ぜひ試してみると良い。
特に現代生活に慣れてしまった日本人ほど、思わぬ効果に驚く人も多いことだろう。
モノは試しという。試してみると良い。
秀麻呂