-「令和」〜新しい御代-

2020/01/13

 

「令和元年」も残すところ約1ヶ月となったので、今日は〈令和〉と新・天皇陛下について振り返りを記しておこうと思う。

 

12月4日の「賢所御神楽の儀」を以て「即位」に関わる儀式は一通り終わった。「譲位」という形で新天皇が即位するのは戦後初であり、わが日本国は明るい祝賀ムードに今日も包まれている。令和の時代は、幸先の良いスタートを切ったのだ。

 

上皇陛下は、こうなることをすべてお見通しだったのである。

 

では、ここで。振り返りに、新・天皇陛下が述べた「即位宣明の御言葉」の全文をまず記しておこうと思う。

 

 

『さきに、日本国憲法及び皇室典範特例法の定めるところにより皇位を継承いたしました。ここに「即位礼正殿の儀」を行い、即位を内外に宣明いたします。

 

上皇陛下が三十年以上にわたる御在位の間、常に国民の幸せと世界の平和を願われ、いかなる時も国民と苦楽を共にされながら、その御み心を御自身のお姿でお示しになってきたことに、改めて深く思いを致し、ここに、国民の幸せと世界の平和を常に願い、国民に寄り添いながら、憲法にのっとり、日本国及び日本国民統合の象徴としてのつとめを果たすことを誓います。

 

国民の叡智えいちとたゆみない努力によって、我が国が一層の発展を遂げ、国際社会の友好と平和、人類の福祉と繁栄に寄与することを切に希望いたします。』

 

 

この日は、即位礼正殿の儀が始まった途端にである。雨が上がり、大きな虹が皇居上空にかかった。さらに時を同じくして「富士山」では、初冠雪を甲府地方気象台で確認した。

 

瑞兆である。吉祥である。

 

北の丸公園では陸自の礼砲部隊が21発の礼砲を撃った。全国各地で万歳三唱をする老若男女、記帳所に足を運ぶ人々、まさに祝賀である。

 

日本経済新聞が在日メキシコ人のコメントを伝えた。その人は「長い歴史に支えられた貴重な儀式で、大統領制のメキシコでは決して得られない経験だ。」と述べた。

 

 

10月22日『即位礼正殿の儀』は、次のような1日であった。

 

天皇皇后両陛下は、まず午前9時から宮中三殿で「即位礼当日賢所大前の儀」「即位礼当日皇霊殿神殿に奉告の儀」に臨まれた。この2つは現代では皇室の私的行事とされてはいるが、皇居・宮殿での「正殿の儀」と三位一体となった切り離してはいけない大切な儀であり、両陛下は「清浄」を意味する純白の絹の祭服を召して拝礼された。

 

賢所においては天皇陛下が「天照大御神」に「お告げ文」を奉され、御神徳に感謝し、その御力を得て即位を国の内外に宣明する旨をお告げになった。

 

賢所の内々陣からは、宮中三殿でお仕えする女性の内嘗典が鳴らす「御鈴」の音がシャン、シャン、シャンと10分ほど鳴り響いた。

 

天照大御神が陛下に御応えになっていることを表す、厳かな時である。

 

 

午後1時、上空に虹がかかりはじめると同時に「鉦(しょう)」という楽器の音で「即位礼正殿の儀」が始まった。高御坐の天皇陛下は「天に昇った太陽」を示す色とされる赤茶色の黄櫨染御袍、御帳台の皇后陛下は五衣唐衣裳の鮮やかな十二単で、儀式に臨まれた。皇后陛下の装束は、その重さなんと十数キロである。

 

天皇陛下と秋篠宮さまの御覚悟のなんたるや。式典を通して微動だにしていない。ちなみに、先に述べた21発の礼砲は、国際儀礼の空砲のことである。「21」は最高の敬意を示すための数字だ。

 

我々は、瑞兆著しく吉祥の時となる、新しい御代を迎えたのである。さぁ、ここからは日本国の新しい御代を共に創造するべく、歩んでいこうではないか。

 

 

秀麻呂