- あなたは心霊現象を信じるか? -

2023/09/01

 

 

いよいよ暦も9月となり、まだまだ暑い日々を過ごしながらも夜になると、ふと瞬間になんとなく秋の気配を感じられることがある。と同時に、こんな時期にはなぜか「心霊現象」をテーマにした企画やイベントが人気となる。不思議なものである。

 

フジテレビ勤務の友人によると、世にも奇妙な物語の「視聴率が良いシーズン」というのがあるそうで、9月は平均して視聴率が良いそうだ。局内でも心霊現象と思しき事象が一番多いのはこの時期らしい。

 

日本人は、遺伝子にカミと呼ばれた頃のエネルギーの残存因子がある人もけっこう多いため、じつは邪鬼悪霊の類はわざわざ近寄って来ないケースが多い。わたしなどは、それこそ自殺の名所に行ってもまったく近寄って来ない。だが、やはり一般の人々は「向こうから近寄って来ない」という程度の守護力であり、面白半分の好奇心で自ら近寄ったり、更にわざわざ怒りを煽っておいて「なにも起こらない」といえるほどの強運までは、わたしは「保証」しない。

 

 

そういえば。わたしの古い友人に、あるFM局の人気DJ&MCをやっている女性がいる。

 

この友人は「霊感が強い」といえる女性であり、いわゆる「見える人」だ。高校・大学くらいになると若気の至りで周りのちょっとやんちゃな同級生や地域の先輩・後輩たちと「国道沿いの某廃病院」や「自殺の名所といわれる団地」など、ほとんどの有名スポットに「肝試し」と称して行っていたのだが、やはり中には霊障で痛い目に合ったという者もいた。

 

本人はおそらく守護神たちが強いのだろう。見えることはあっても近寄ってくることはほぼ無かったそうだ。

 

この知人、新卒で入社したのは、当時大人気だった某有名音楽レーベルだったのだが、出社初日に教育係になった上司から言われたコメントが当時は衝撃的だったせいか、今でも昔話になると必ず話題に上がる定番ネタになっている。

 

当時、彼女は上司になんと言われたのか?

 

「君も社会人になったんだから、もう肝試しとか行かないでね。変なの連れてきたら仕事に支障が出るからさ。ライブイベントが1つ壊れたら億単位の損失だって珍しくないんだからね。」

 

である。

 

たしかに「コンサート会場でケガ人が出た」とか、ニュースなどでも見たり聞いたりしたことがある人はかなり多いだろう。未成仏霊や邪鬼悪霊は人の持つテンションの高いエネルギーに集まる習性があるので、上司は「あなたの勤務先はそういう職場ですよ」と注意喚起をしたわけだ。さらに推察すると、この上司も「見える人」ということになる。

 

 

例えば、落語家には信心深い人が多いのだが、これも同じ理由である。

 

「江島屋騒動」などの怪談噺が演目として人気になるのもこの時期なので、落語の世界では先輩たちから「怪談噺をやる前には必ずお参りをしておけ」と教わることがある。

 

落語家の「桂 宮治さん」という方は、前述の怪談噺「江島屋騒動」をやることになるも(この演目には"目を潰して呪い殺す"という場面がある)気に留めずにいたところ、扉に思いっきり目をぶつけてしまったことがあり、あまりのことに怖くなって氏神の「戸越八幡神社(東京都品川区)」に懸命に参拝してお願いしたら治った、ということがあった。

 

 

さてさて。あなたは心霊現象の存在をどこまで信じているだろうか?

 

 

秀麻呂