- 復習が必要な「日本の精神」-

2023/04/03

 

さて、4月になると日本社会では「新年度」という言葉が聞かれるタイミングだ。

パラダイムシフトはいよいよピークに向かおうとエネルギーを蓄えており、我が国でも傀儡勢力が、やれ「コオロギを食え」だの、「コメを作るな」だの、「乳牛を殺せ」だの、大衆を困窮に向かわせる「値上げラッシュ」だの、消費税15%への議論だのが進んでいる。

 

残念だが、行くところまで行かないと、このトレンドは逆転しない。

 

サイレントマジョリティ―化した意思表示しない大衆が約80%となっているいまの日本では、大衆の怒りの反動を使って逆襲のムーブメントを起こした方が、神心の視点では圧倒的に効率が良いのである。その芽として、反撃の狼煙は徐々に上がってきているのだが、本格化はもう少し先になるだろう。

 

 

そこで、わたしとしては「日本精神」をいま一度、ここで示しておきたい。

 

ストレス度が低く幸福度が高い人、ストレス度が高く幸福度が低い人、それぞれのテストによる比較で、脳の使われ方により幸福度が高くなることが統計的に証明され、脳の使われ方によって幸福度が上がるということ。

 

これを、今回は記しておこう。まず、以下の項目を一読してもらいたい。

 

⑴ 志や目標を高く、強く持つ

⑵ 困った時に助けてくれる友を持つ

⑶ 仕事は社会をよくするためにやる

⑷ 次の世代につながる魂の入った仕事を目指す

⑸ 自分が生まれてきた役割は何であるかを知る

⑹ 仕事を離れてもお互い刺激し向上し合う仲間を持つ

 

これらをまとめて解析した結果、日本の精神(次の世代が栄え、社会をよくする志を持ち、自分の役割を知る)をもったコミュニティに属し、(お互い刺激し向上し合う)仲間と共に活動することが、その人の幸福度を高める、これを証明した。

 

誰しも、このように活動すれば、幸福度を上げるすべての項目が改善する可能性が高いのである。

 

『論語』の一節に、「志士仁人は生を求めて以って仁を害することなし。身を殺して以って仁を成すこと有り」(志士、仁人は、生を求めて人道に反するようなことはしない。時には命を投げ出してでも人としての道を貫き通す)とある。

 

吉田松陰は松下村塾の塾生に「自分独自の志をもて」と教育したが、人間学の中核である「志を立て」目標を持つことが幸せにつながり、ストレス度が下がる。

 

うつ病などの精神疾患を持つ人が改善するのに一番効果があるのは、日本精神を取り戻すこと、そして心の底から笑うことである。

 

日本精神と幸福になることは切っても切り離せない関係にあることが、歴史的にも証明されている。

なお今回は、一冊の推奨書籍を紹介しておこう。渡辺京二氏が書いた、そのタイトルは「逝きし世の面影」という本である。  

 

以下、要点を紹介しておく。

 

⑴ 英国人ディクソン工部大学校教授「西洋の都会の群衆によく見かける心労にひしがれた顔つきなど全く見られない」

⑵ スイスの遣日使節団長アンベール「日本の下層階級の特徴は親切と真心」「江戸庶民の特徴は、上機嫌な素質、当意即妙の才、…天真爛漫」

⑶ 英国人イザベラ・バード「民衆の無償の親切に出会って感動」「赤ん坊が泣くのを聞いたことがなく、子供が厄介をかけたり、いうことを聞かなかったりするのを見たことがない」

⑷ ハリス「彼らはみな幸福そうである。…日本を開国して外国の影響を受けさせることが、果たしてこの人々の普遍的な幸福を増進する所以であるかどうか、疑わしくなる。私は質素と正直の黄金時代を、いずれの国におけるよりも多く日本において見出す」

⑸ チェンバレン「金持ちは高ぶらず、貧乏人は卑下しない、本物の平等精神、われわれはみな同じ人間だと心底から信じる心が、社会の隅々まで浸透している…市民社会であったその当時のイギリスより、根底においては日本のほうが民主的である」

⑹ 英国人エドウィン・アーノルド「日本ほどやすらぎに満ち、命を蘇らせてくれ、古風な優雅があふれ、和やかで美しい礼儀が守られている国は、世界中どこにもない」

⑺ パーシヴァル・ローエル「明治10年代の東京の夜店は買い物客の楽園」

⑻ エドワード・シルベスタ・モース「日本は子供の天国である。世界中で日本ほど子供が親切に取り扱われ、子供のために注意が払われる国はなく、ニコニコしているところか判断すると、子供たちは朝から晩まで幸福であるらしい」「母親が赤ん坊に対して癇癪を起しているのを見たことがない」

⑼ フレイザー婦人「日本の子供は怒鳴られたり、罰を受けたり、くどくどと小言を聞かされたりせずとも、好ましい態度を身につけてゆくと感じました。子供たちに注がれる愛情は、ただただ温かさと平和で彼らを包み込み、その性格の悪いところを抑え、あらゆる良いところを伸ばすように思われたのでした。日本の子供は決しておびえから嘘を言ったり、過ちを隠したりはせず、青天白日のごとく、嬉しいことも悲しいことも隠さず父や母に話し、一緒に喜んだり癒してもらったりする、幸せに満ちた一体感がありました」

 

最後に、同書では「まとめ」として次のように指摘している。

 

「日本精神を失った日本人はストレスに弱くなり、ストレスにより不安感に脳が支配されていること、これが依存症に陥る脳から見た根本原理である。日本では、あらゆる領域で依存症が蔓延している。それを改善するには日本精神を取り戻すしかない」

 

ぜひあなた自身に、そしてあなたの大切な人たちにも、いま一度。我が国の「日本精神」たるものを「復習」しておいてもらいたい。

 

なぜか?・・・必要となるタイミングが、刻一刻と近づいているからである。

 

 

秀麻呂