2024/05/01
わたしは、日本という国が今後V字回復のごとく再生・創生に至るためには、神社の再生・創生が「最大のカギ」だと考えている。
これまで、ご縁があった神社で再生に御協力・御支援をすることはあったものの、やはりまだまだなのだ。全国的に見ると「神社」は事業として見た場合に属性を「斜陽産業」と分類することのほうが多い。
一部の著名神社を除くと、兼業の神職さんがどれだけ多いことか。知れば驚きの数値である。地域のためにと奉仕の精神で務める神職の方々に、我々日本人は感謝しないといけない。
全国にある神社の数は8万社以上で、コンビニの総数より多い。しかし残念ながら、そんな身近でありがたい存在である神社についてほとんど知らない日本人が、どんどん増えてきてしまった。
WW2から70年、GHQの残していった政策は我らが日本とその国民を「世界のATM」と化し、今や古事記も知らず、神社も行かず、それがまかり通る。国民所得に対する総税金徴収率(社会保障費含む)においては、なんと50%超の国になってしまった。しかも北欧諸国のような高福祉が理由ではない。平均還元率ですら下がりっぱなし、これぞまさにぼったくりである。
そこで今回のコラムでは、少し神社についての初歩的なレクチャーを記しておこうと思う。
まずはじめに。
ーー神宮、ーー大社、ーー神社など、神社の名前にもいくつか種類がある。これらは「社格」といって、各神社につけられている称号だ。
ーー神宮とは、天皇や皇室の祖先にあたる神々を祀っている中で、歴史が古い、または限られた高貴な神社にだけ許される社格だ。
熱田神宮、石上神宮、平安神宮、明治神宮など、まさに別格といった風格の神社が並ぶ。香椎宮や天満宮、東照宮などの○○宮は、神宮に次ぐ社格とされる。こちらは皇族を祀っている。
○○大社は、地域の信仰を支える大きな神社につけられることが多い。明治時代からWW2の終戦まで「大社」は出雲大社だけだったのだが、戦後になってから一部の神社が社格を変更している。
そして最も多い社格はシンプルに「○○神社」である。地名やご祭神の名を冠していることが多い。このほか社格とは違うが、「明神」「大明神」「権現」などと呼ばれて地域に愛されている神社も多い。
さて、こうした社格を飛び越えて、単に「神宮」とだけ呼び表される特別な神社がある。それが「お伊勢さん」こと伊勢神宮だ。皇室の祖といわれる天照大御神を祀り、ほかの神社よりもはるかに特別な存在といわれる伊勢神宮こそが、神の宮なのである。わかりやすく地名をつけて伊勢神宮と呼んでいるが、その実体は『神宮』が正式名称である。
『日本書紀』によれば2000年以上もの歴史があるといわれる「お伊勢さん」だが、日本人ならぜひ一度は参拝しておいていただきたいものだ。
最近は、旅行がてら神社やお寺を巡り、参拝を楽しむ。あるいは優雅な社殿にカメラを向け、御朱印を集め、ブログやSNSで発信をする。そんな人々も急増している。
では、そのトレンドとも言える現状の中、はたして日本人は神社のことをどこまで知っているだろう。
たとえば参拝ひとつとっても、鳥居をくぐる際に一礼する人こそ増えてきたが、参道の真ん中を歩くことがタブーだということはあまりにも周知されていない。
拝殿の前ではどうして鈴を鳴らすのか。お賽銭には何の意味があるのか。
あなたも、せっかく当流とのご縁をいただいたのだから、神社の起源、神社の境内(敷地内のこと)にあるさまざまなモノ・コト、そこで働く人々など、これまで知っていたようで知らなかったことにもちゃんと興味・関心を持って、知見を得ていくようにすると良い修道になる。
それだけでも、今後の神社参拝がグッと楽しくなるし、その人を起点にして周囲の人々も活気づいてくる。わたしは、そんな日本人がどんどん増えていくことこそ、神社の再生・創生への第一歩だと考えている。
鎌倉幕府の時代に定められた「御成敗式目」第一条の「神社修理し祭祀専らにすべき事」の条文に順じて、
『神は人の敬(うやまひ)に依(よ)りて威(い)を増(ま)し 人は神の徳(とく)に依(よ)りて運(うん)を添(そ)ふ』
これである。
『神を敬う人の純粋な真心にふれ 神の威光は輝きを増し 神の広き厚き神徳の加護で 人は導かれ運を開く』
神と人とは一方通行ではなくお互いがお互いを高めあう存在であるべきなのだ。
繰り返しになるが。
わたしは、日本という国が今後V字回復のごとく再生・創生に至るためには、神社の再生・創生こそが「最大のカギ」だと考えている。
秀麻呂