- 都市伝説の由来は神話?-

2023/07/04

 

 

最近の世界情勢然り、さらに日本国内でも噴き出すように問題が多発することもあり、スポンサー付きのネガティブキャンペーンかと思うようなポジションニュースがメディアやネットを騒がしている様子である。社会的トレンドではあるが、一時的な好転反応のタイミングなのでいちいち些末なプロパガンダを真に受けないことである。

例えば「コロナの第9波が~」と騒ぐ連中がいたら、それは=「売上を上げたい!」という意図と理解したら正解なのである。

 

人々が脳裏に描く「想念・想像のエネルギー」を都合よくコントロールするためにの技術。それをプロパガンダというわけで、結局は「都市伝説」の商用利用みたいなものだ。

 

それよりも、日本という国を守るために、世界をより良くするために、情報の本質を見誤らないこと。これが我々の選択をリアルな「神心の意」に沿ったものにするコツである。

そもそも、都市伝説みたいなストーリーというのは古代から数えきれないほど存在しており、現代にも伝わる古代神話を引用した都市伝説も、起源となったのは「山岳信仰」に接点がある「神話/民話」であることが多い。

 

そこで今回は、都市伝説にもなった山岳信仰に起源を持つ神話/民話をいくつか紹介してみよう。楽しんでもらえれば幸いである。

 

 

①八ヶ岳連峰 - 阿弥陀岳~富士山

四季を通じて多くの登山者に人気の八ヶ岳連峰、その標高はどの山も3,000mに満たない程度。一番高い山で赤岳の 2,899 mだが、麓に住む人々には「大昔は、富士山よりも八ヶ岳の方が高かった」という伝承が残っている。神仏習合の時代にまで遡るが、こんな民話だ。

 

昔々、八ヶ岳と富士山が活火山だったころの話。富士山の神「木花柵耶姫(コノハナサクヤ)」と八ケ岳の神「磐長姫(イワナガ)」は、お互いの高さを張り合ってしょっちゅう喧嘩ばかりしていた。ある時、それを見兼ねた阿弥陀如来が誓約(うけい)で水裁判を提案。いざ、お互いの峰に樋をかけ水を流すと、その水は富士山の方へと流れていった。結果は八ヶ岳の勝ち。しかし、富士山の神「コノハナサクヤ」はプライドが高く、負けたという結果に腹を立てて、なんと八ヶ岳の神「イワナガ」の頭を蹴飛ばしてしまった。すると、天地も揺らぐ大音響と共に、八ヶ岳の頭が八つに裂けてしまった。それ以来、八ヶ岳は富士山よりも標高が低くなってしまい、現在の姿に。吹き飛ばされた頭の部分こそが、現在の北八ヶ岳である。

 

富士山の神「コノハナサクヤ」は日本神話で最も美しい女神とされ「桜/さくら」の語源だというのは有名な話である。だが一方、そのプライドも日本一の名に違わぬ高さということをこの民話では示している。「コノハナサクヤ」は「火の神」で、富士山の火山としての側面を表し、その気性の荒さ=活火山の怖さを伝えたかったのであろう。

 

 

②四国/剣山(つるぎさん)

西日本では石鎚山に次いで2番目の高さ(標高1,955m)で、徳島県の最高峰かつ県のシンボルとされている。古くから信仰の山ではあったが、古代イスラエルの秘宝が隠されているという伝説がある。この説については知っている人も多いのではないだろうか。

 

じつは、この秘宝の在処を示す奇岩のことを日本では漢字で「宝蔵石」と呼称した。剣山には「宝蔵石」という貴石があり、そこに古代イスラエルの王「ソロモンの秘宝」が眠っている、と伝わったわけだ。

いちおう付記すると「ソロモンの秘宝」とは、アークと呼ばれる特別な箱(聖櫃)に収められている「石板・壺・杖」の3点のことで、イスラエル版の「三種の神器」ともいわれている。古代イスラエルから日本へ渡り、今もそれは剣山の山中深くに眠っているというわけだ。

 

前述の宝蔵石と呼ばれる奇岩は頂上付近にあり、この下にアークが眠っている。アーク自体は世界中の絵画にも描かれているのだが、人が担げるように2本の棒がついており、その大きさや形状は、剣山本宮の例大祭で担がれる神輿とそっくりである。岩を信仰している点など、剣山の周辺神社も含めてイスラエルとの共通点が多くある。

 

磐堺神明神社(いわさかしんめいじんじゃ)に残る石積みの空間は、その形状や目的も含め、古代イスラエルの礼拝所とそっくり。また、倭大國魂神社(やまとおおくにたまじんじゃ)の神紋とメノラー(ユダヤ教の象徴的な燭台)の類似性も、偶然では済まない。このように、一致が数多く見られるのは事実である。

 

時代を超えたミステリーが四国にはある。

 

 

③長野県・諏訪の守屋山(もりやさん)

信州の地にも、日ユ同祖論の根拠とされる都市伝説がある。ここではイスラエルとの繋がりを、旧約聖書の「イサク奉献」に見出すことができる。「イサク奉献」の舞台となったのが「モリヤの山」と伝わっているのである。

 

そして、この「イサク奉献」のストーリーだが、諏訪大社上社で今でも続く「御頭祭(おんとうさい)」と驚くほど似ている。

 

御頭祭の主人公は「おこう」と呼ばれる15歳以下の少年だ。神の使いとしての役割が与えられており、まず、柱に少年を縄で縛り付け、柱ごと竹のむしろの上に押し上げる。その後、神官やそのリーダーである神長、藤刀(ふじがたな)と呼ばれる小さな刃物が登場。最終的には縛られていた少年が解き放たれ、祭りは終わる。この神事では75体もの「鹿の頭」が捧げられ、「御頭祭」の名前の由来となっている。

 

そして、この神事の舞台である諏訪大社上社の背後にあるのが「守屋山」なのである。

 

 

八ヶ岳の民話は「超古代・富士王朝」の神話が起源だと考えられる。剣山、守屋山、こちらはいずれも本質にあるのは「日ユ同祖論」という仮説だ。

ここで、おさらいになるが。この仮説は「ユダヤ人も日本人も、古代イスラエルの部族にルーツを持つ」というのが基本的な考え方で、細部では複数の意見がある。古代史から原因不明/行方不明となった部族の痕跡を捜し求めている「アミシャーブ」という組織や、前イスラエル駐日大使のエリ・コーヘンさんたちが、この説の支持者である。

 

 

さて古代の都市伝説、みなさんは一読してみてどうだっただろうか?向学のために自己の学説を立ててみるとよい知徳になるだろう。

 

 

秀麻呂