- Amateras -

◆天照大御神(アマテラスオオミカミ)

 神代文字:天日草文字×大神神字

 

御利益】 

太陽神。国民繁栄・国土安泰・世界平和を司る日本で最も尊い神。八百万(=やおよろず)全ての神々のリーダーであり、アマテラスに従う神々が持つあらゆる御神徳・御神力を司ります。

※世界最高峰の美神・武神でもあります。

祝詞

かむかぜの いせのくにさくす いすずのはらの そこついわねに 

おおみやばしら ふとしきたて 

たかあまはらに ひぎたかしりて しづまりまします かけまくも 

あやにとうとき あまてらすおおみかみ の おおみか を 

いはひまつりて いはまくも かしこかれと 

あまつひつぎ しろしめす すめらみこと の おおみよを 

ときはに かきはに まもり たてまつりまひ うつしき 

あおひとぐさをも めぐみ さきはへ たまへる ひろく あつき 

めぐみに むくひ たてまつると ただごとをへまつりて 

おろがみ まつる さまを たひらけく やすらけく きこしめせと 

かしこみ かしこみ も まをす 

解説】 

日本神話における最高神であり太陽の神。皇室の祖とされている、日本国民の総氏神です。全国のお社でいただける御神札では「天照皇大神」と記されています。イザナギの子神として産まれた神々の中でも、特に神格が高い尊神とされる三貴子の長女・女神です。八百万(やおよろず=数えられないほどたくさんという意味です。)といわれる天神地祇(天地の神々のこと)、ほぼ全ての神々がアマテラスの大いなる意志に従っているとされています。太陽とその耀光、慈愛、真実、秩序を象徴する日本で最も尊い神です。

(別名:天照皇大神、大日孁貴神、大日女尊、大日霊、大日女、など。呼称では「お伊勢さま」「神明さん」等とも云われます。)

 

アマテラスは伊勢の神宮(内宮)をはじめとする全国の皇大神社・天祖神社・大神宮・神明社、その他、アマテラスを御祭神とする全国の神社でお祀りされています。伊勢神宮から約10kmほど離れた伊勢志摩国立公園内にある逢坂山の中腹には「みそぎの滝」という場所がありますが、さらに進むと日本名水100選にも選ばれたきれいな湧水が出ている岩穴があります。この水源の小さな洞窟こそが日本神話にも登場するアマテラスの隠れた天の岩戸(=恵利原の水穴)だったとも云われています。(諸説有り)

アマテラスは自らが産まれた時、気品と美貌、ただならぬほど大きな神力・神徳をどこか得意げに父神・イザナギに微笑んで見せたようです。その姿はイザナギにとって黄泉の国に残してきてしまった最愛の妻・イザナミの笑顔と重なったことでしょう。イザナミとの最期は自らの想いに反して、売り言葉に買い言葉で苦渋の哀しいもの別れとなってしまった。そんな妻への愛を思い出し、空を見上げ涙したことでしょう。

 

太古〜そして現代社会でも八百万(=やおよろず)の神々は、自然界の様々なところに宿っています。例えば山・木・岩・海・風・雷・雨などにも必ず神が宿っています。ですが風の神は、大気を淀ませないように心地良い風を吹かせるなどして操れる一方、激しく暴れれば台風や竜巻を起こす、というような強くて怖い一面もあります。これが海の神であれば、人々にたくさんの食料を与える一方で、怒りに触れれば津波による大災害をもたらす、という一面もあります。このように、元来の「神」とは「人を超える特別な力を持つ者」という意味で使われていた「呼称」であり、その善悪について太古の時代はまったく区別していなかったのです。もともと「神」には穏やかなエナジーで恵みを与える「和御魂(にぎみたま)」と、強力なエナジーですがもしも怒りに触れたら災いをもたらす一面もある「荒御魂(あらみたま)」が混在しているものなのです。しかし太陽の神だけは人に災いをもたらさない、こう考えられていました。(日照りが続くと雨の神が怒っていると考えられていました。)そして太陽の光こそが万物を育むと考えられていました。これが「太陽の神・アマテラス」の偉大な意味であり、古(いにしえ)より最も尊い神とされてきた本質的な理由なのです。

 

太古の神代、アマテラスが孫神にあたる豊穣神ニニギに高天原(天界)から葦原中国(地上)への降臨を命じたさいの三大神勅というのがありましたが、その一つに「宝鏡奉斎の神勅(ほうきょうほうさいのしんちょく)」があります。これはアマテラスがニニギに鏡を渡し「この鏡を私だと思って、自分を映し、自省しなさい。もし、私欲により民を苦しめるような「我」(が)が映ったなら、その「我」(が)は取り除きなさい。」そう話したと云われる記録です。「かがみ」から(が)を取り除くと、「かみ」=神という読みになります。「鏡」をお祀りして感謝を届け、新たに決意を宣誓し、成就を祈願する。これが私たちの暮らす今の世へと続いてきた「神」と「参拝」の起源なのです。お社(=神社のこと)への正しい御参拝とは、まず最初に「感謝」し、そして「決意」し、最後に「祈願」するのです。

 

歴代の天皇陛下は、このアマテラスを宮中にて最高の崇敬でお祀りし、今も今上天皇陛下におかれましては、宮中三殿にて年間30回以上の祭祀を執り行い、日本国家・日本国民の繁栄と世界平和を祈っておられます。日々、日本の国民が平和に暮らせることへの感謝を込めて、この国の天皇であられる御自覚のもとアマテラスをはじめ、宮中の八神と天神地祇(全ての神々天津神・国津神)や皇祖の御霊に、誠心・誠意のご祈願をされています。

ニニギに神勅を与えるアマテラス

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