- Susanoh -

◆素戔嗚尊(スサノヲノミコト)

 神代文字:出雲文字×大神神字

  

御利益 

愛神。再起再興・開拓開発・発明創造・五穀豊穣・商売繁盛・人間関係全般・所願成就。

※アマテラスの末弟で、元は海神/風神。日本最強の神の一柱で生涯が波乱万丈だった神でもあります。野心家を好み、弱者には優しい神です。但し、小賢しい者は嫌われます。

祝詞

やくもたつ いづもやへがき つまごめに やへがきつくる そのやへがきを

 

解説 

最高神アマテラスの末弟で、三貴神の一柱。出雲の国造りを最初に手掛けた神です。旧武蔵国、現在の東京都・埼玉県にはスサノヲをお祀りしたお社が多く、武蔵一宮こと「氷川神社」の御祭神でもあります。日本の神々の中でもとりわけ「最強」と云われた武力を持つ神です。英雄ヤマトタケルが東国平定の成功とその助力を祈願した神でもあります。しかしスサノヲは、実質的には一番強いのに人々から「武神」として崇敬されたことはほとんど無いと云われる神でもあります。日本神話の史上では一番「わがままな神」とされていますが、同時に神々の中でも一番優しく、一番武力が高い神であると云われます。(別名:建速須佐之男命、須佐乃袁尊、神須佐能袁命、須佐能乎命、須佐之男命、など。)

 

 

スサノヲは出雲大社の境内社や八坂神社、廣峯神社、津島神社、須佐神社、八重垣神社、素盞雄神社、旧・武蔵國の東京・埼玉に多い氷川神社などでお祀りされています。特に出雲大社から車で約40分前後で着く地「須佐」にある「須佐神社」は知る人ぞ知るスポットで、スサノヲが持つ本来のエネルギーを体感できる日本で唯一の場所といえます。スサノヲはその生涯がとても波乱万丈な神です。記紀のストーリーに沿って要点をまとめると、母・イザナミの元へ行きたいと言って子供のように泣き叫び、父・イザナギの怒りに触れて勘当される感傷的な姿を見せたかと思えば、天上界では姉・アマテラス一派の神々を相手に暴れまくる凶暴な姿を見せます。出雲へ降りると、一転して日本初となる「和歌」を詠み上げる高い教養を見せ、たまたま出会った美しい姫にあっという間の一目惚れ。民を苦しめていた凶悪な竜神「八岐大蛇」を退治して姫と結婚、今度は出雲のヒーローに。退治した八岐大蛇の体内から出てきた「竜の剣」こと天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ=後の草薙剣)をアマテラスに献上し、それが三種の神器の一つとされる栄誉を得て、三貴神の一柱として名誉回復、こんな神です。

 

 

出雲に降りて、今にも八岐大蛇の生贄にされかけていた姫・クシナダを救い、その後に結婚したスサノヲは、彼女をそれはそれは、大切に愛しました。一見、戦いに強いだけで傍若無人、気まぐれで粗暴な自分勝手な神にも見えるのですが、実は心がとても優しく、家族を大切にする神なのでした。しかし、後に愛しい妻はスサノヲを残し若くして死んでしまいました。悲しみのあまりスサノヲはまだ幼い娘を連れ、せっかくの自分の国であった出雲の地をあっさりと捨ててしまいます。その分、娘には全ての愛を注ぎました。スサノヲにとっては「国」などどうでもよかった。それよりも自分の家族が大切でした。だから、自らの愛する娘と相思相愛となり「あなたの娘をわたしの妻に欲しい」というオオクニヌシには様々な試練を与えました。

 

 

そして試練を見事にクリアしたオオクニヌシを娘の婿と認め、自らが立ち去った出雲の国造りを彼のミッションとして与えます。スサノヲは愛する娘を想い、オオクニヌシが娘を任せられる男かどうか、自分の跡を継げる神かどうか、試したのです。そして試練をクリアしたオオクニヌシに、愛する娘と出雲の国造りを託し遠くへ旅立った。やたらとやんちゃだけど、なんだか嫌いにはなれない・・・そんな、真実の心根とその優しさを民に愛された神なのです。日本で一番の戦闘力を持つ最強の暴れ神ですが、その反面とっても淋しがり。母を愛し、妻を愛し、娘を愛した、コミュニケーションが下手で不器用な頑固オヤジのような神。でも家族を愛する気持ちは八百万の神々の中でもNo,1家族想いの象徴であり、神格は高いし武力は最強。だけど秘めた心の優しさこそが日本一の「愛の神」それこそが、スサノヲという神なのです。

撮影地:島根県出雲市